GCCAについて
GCCAについて
先日から「言葉ならざる言葉=ノンバーバル・コミュニケーション」について、コラムで紹介していますが、実は2012年前のブログを再構成して掲載しています。
今年のコミュニケーション&コーチング成長塾のテーマがそれだものですから、改めて見直しているという訳です。
(以下以前のブログの内容に入ります)
非言語によるコミュニケーションを学習すればするほど、人が言わんとしていることや気持ち・感情を理解する重要なコミュニケーション手段であることが分かります。
まさに「ことばならざることば」を理解することで、生徒に向かう先生だけではなく、普段の生活で周囲にいてくれる人達と良好な関係を築きあげることが出来るのです。
人体動作の行動形態分類の4番目は『言語調整動作』です。
私は20年間セミナーの講師として受講メンバーの前に立ってきましたが、冷静に皆さんの表情や態度を観察しながらセミナー進行出来るようになったのは、(正直に言うと)つい最近になってからという気がします。
こちらの伝えたい事に一所懸命になってしまい、肝心の受講メンバーのことを置き忘れてしまうのです。
『言語調整動作』は、話し手にとって、聴き手が理解し受け入れてくれているかどうかを教えてくれます。話し手は、それを観察しながら、次に話を進めるかどうかを判断し、ここはもっと強調した方がよいとか、聴き手の意見を求めるきっかけを掴んだり出来ます。
聴き手が話し手の人物や話している内容に関心を持った場合には、身体を出来るだけ正面から相手の方へ向ける傾向があります。座っている場合には、身体を前に傾けたり、一言も聴き逃さないように身を乗り出したりします。そして、話し手の目や口、顔に焦点を合わせて相手の全体を視界に捉えてじっと注目します。話の内容に同意する場合は関心があることを示し続け、タイミングを合わせて頷いたり微笑んだり、「フン、フン」と言ったりします。
動作学上の調査では、あるグループの中の人たちは自分が同意する相手の姿勢を模倣することが多いという現象を掴んでいます。
聴き手が話し手の話に不賛成の場合には、頻繁に首を横に振ったり、目を細め顎を引いたりします。
それを目立たぬようにしたり、挑戦的になったりと、人によって違いがありますが。
そして、相手が腕組みをすると、「守りの姿勢」を表していることが多く、椅子にもたれかかって、こぶしを固めて腕組みしている場合は、話し手が何を言ってももはや修復は難しいのです。
私が日常的に行っているセミナーは、参加メンバーが考え、次に参加者間で議論して一定の結論を出し、更に複数のグループがある場合には、グループ間で議論してもらい、その議論のプロセスや結果を基にして、学習すべき内容を掘り下げていく「体験学習」という手法をとっています。
しかし、自分たちで議論している間は少なくとも関心を持ってメンバーは参加していますが、長い時間に亘って解説や講義を聴く場面になると、如何に学習を継続し続けるか、セミナー講師の腕前が試されることになります。
思いだすのは、講師1年目に大失敗したことです。
そのセミナーには「講師を養成する先生」がオブザーバーとして付いていました。講師としての言わばテストの様なものです。
受講メンバーが模造紙に討議した結論を書き、今度はグループ間でそれを議論し合う場面でした。その時の私の行動は一つひとつグループの結論を指摘し、ここはいいがこれは違うという進め方で、4つのグループを順に一つの漏れも見逃すまいとやっていきました。模造紙だけしか視界に入っていなかったのです。
一つのグループに30分程かけていたと思いますので、2時間はそんな状態が続いたはずです。
後ろで、オブザーブしている先生が大きく手を振り上げてもうやめろとジェスチャーしていたにも関わらず、延々と解説している私がそこにいました。
当然ながら、その夜のフィードバックは散々なものでした。
昼間、延々と解説している時には漠然と場の状態は分かっていたのですが、行動を止めることが何故か出来ませんでした。
その場面は今でも鮮明に覚えています。教室の形やテーブルの配置、模造紙が貼られた壁や自分の服装・・。
しかしどうしても参加メンバーの顔や表情、態度を思いだせません。
思いだせないのはしかし当然なのです。メンバーを観ていないからです。
人を指導する立場にある人にとって、『ことばならざることば(非言語コミュニケーション)』の深い理解は必須であることを今さらながら強く思います。
=マジョリー・F・ヴァーガス「非言語コミュニケーション」より=