LLCグロウイング&コミュニケーションコーチング協会

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国会を聴いていて思い出す上方落語

上方落語の「壺(つぼ)算」という落語をご存知でしょうか。
ちょっと間抜けた男の家の水壺が割れてしまったので、買い物が上手い知人に頼んで、一緒に壺を買いに行く話です。(水道は明治時代に都市部を中心に近代的な水道が導入されますが、それまでは、飲料用の水壺を置いて生活していました。)
割れた壺は一荷入り(いっかいり;水が約50ℓ入る;昔は水を汲むのに天秤棒の前後の桶に水を入れて運び、その両桶の水が満杯になる量が凡そ50ℓ)でしたが、折角だから二荷入りの壺(倍の100ℓ入る)にするよう女房に言われ、買い物の上手い知人と一緒に瀬戸物屋に出かけます。
知人の男は間抜け亭主に天秤棒を持たせます。自分達で壺を持って帰る為です。

知人の男は店では自分が交渉するから、横から余計なことは一切言うなと釘をさして、店に入っていきます。
そして、一荷入りの壺はいくらかと聞き、3円50銭と答えた店員に、自分達で運んで帰るから、何とか50銭まけるように交渉して、承諾させ、3円を間抜け亭主に払わせて一荷入りの壺を担って一旦店を出ます。いくら間抜けた亭主でも、二荷入りの壺を買う予定であることは分かっていますので、知人の男に文句を言いますが、黙って言う通りにしろと言って、直ぐにUターンして、もう一度店を訪れて言います。
「この男が折角だから二荷入りの壺にしたいというので二荷入りの壺に買い換えたい。しかし1荷入りの壺は必要ないので、いくらかで引き取って欲しいけれど、いいか?」と店員に尋ねます。店員は「勿論ですよ。それに今買ってもらったばかりなので、3円で引き取ります」と答えます。
そして店員「二荷入りの壺は一荷入りの壺の倍ですから、値段も倍です。一荷入りは3円50銭ですから、その倍の7円です」。知人の男「そうか、そしたら先程は3円で買ったんだから、その倍だと6円やなー」といって、1円まけさせることに成功します。
そして、ここからが話の佳境です。
知人の男「そしたら、先程渡した3円はそこにあるね」。店員「はい、ちゃんとまだ金庫に入れずにここに置いてあります」。知人の男「この一荷入りの壺は3円で下取りしてくれるはずやったなー。そしたらそこにある3円と下取りの3円で合計6円。これでええなー。そしたらこの二荷入りの壺をもらって帰るよ」とさっさと自分達で壺を担って帰る。という話です。
この落語の話を何故、思い出したのかというと、始まった国会でのやりとりを聴いていたからです。軽減税率や消費増税、TPPや待機児童問題等々について与野党とも理屈を色々と述べるのですが、これって本当にそうなのかどうか、分かりにくく、まるで「落語の壺算」のような気持ちになりました。野党は国民に納得いく説明をと訴え、与党も国民に説明をするといいつつ、何一つ分かりやすい説明がなく「この政策は効果があり、国民の為になる・・・・」とね。落語ならば笑って済ますことが出来ますが・・・・。
コミュニケーション&コーチングでは、聴くスキルの獲得を目指します。相互の意思や感情を疎通させ理解しあうことがコミュニケーションの本質だからです。
国会で展開されている議論は相手の矛盾を突き論理的に相手を説き伏せるディベートであり、話すスキルに終始します。従って、どこまでいっても相互に理解し合うことはないような気がします。
お互いの主張の目的を明らかにして、その上で更に上位の目的(国会での上位目的は国民・国の在り方)を実現するためにお互いに知恵を出し合う国会の議論をみたいものですが・・・。