GCCAについて
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引き続き、2012年ブログから「言葉ならざる言葉=非言語コミュニケーション(ノンバーバル)」の記事を掲載します。(以下、その本文です)
「ことばならざることば(非言語コミュニケーション)」の人体動作の5つの分類の最後は『適応動作』です。
この動作は人が行う断片的な動作で、なんらかのメッセージを伝える意図がなく行われる様々な動作のことを言います。
これらの動作は人目に触れないところで、生活に必要な個人的な課題を解決するために行われます。
げっぷや欠伸(あくび)、痒い(かゆい)ところを掻く、鼻をほじる、気が晴れるまで泣くというようなことで、これらの動作は人前ではあまりやりません。
人前でしないのは、他者に受け入れらるかどうかを社会的な立場で判断し(または教えられて)、行動を修正しようとするからです。
その他、足を組む動作や歩き方の習慣等、適応動作は「必要を満たすため」「行動するために」「感情や対人接触を処理するため」等々、日常生活に必要な様々な課題を処理する目的で行われます。
「男は人前で泣くものじゃない」と言われて育ってきました。
しかし一人で過ごす場合は別です。小説や映画を観たり読んだりすると結構大泣きしますし、音楽を聴いていて、涙が出ることもあります。それが映画館等では涙を必死で押さえようとします。
ドラマ「北の国から」を私が観る一つの理由は、もしかすると泣きたいからなのかも知れません。
涙は自律神経と密接に関係しているのだそうです。
怒りや悔しさによって流れる涙は心身を緊張させる交感神経を刺激して流れる涙であり、うれし涙や悲しい涙は心身をリラックスさせる副交感神経が刺激されて分泌されます。
そしていずれの涙も流し終われば何故かスッキリした気分になります。その理由は涙の成分を分析して分かっているのですが、要約すると涙によってストレス物質を排出していることによるらしいのです。
つまり心身をリラックスさせストレスを解消するには涙を流すことが効果があるということなのです。
私たちの顔の表情も何かをメッセージする意図があって作っている訳ではありません。
目・額・眉・まぶた・鼻孔・あご・頬・口・唇等が単独で動き、又はそれらの組み合わせで動きますし、個人差も含めると限りない数の表情があることが分かります。
ですから顔の表情から何かを読み取ることなどはとても無理なことなのです。
顔や首の筋肉は30位あり、「表情筋」と言われます。その筋肉は非常に繊細なもので、使われないと動かなくなり、衰退してしまいます。
顔の筋肉を鍛えるのは老化防止の一つといわれる所以です。
以上の『適応動作』は無意識のうちに反射的に動きますので、余程意識しない限り抑制するのは困難です。
人体動作の5分類をみてきましたが、(言語だけではなく)非言語によるコミュニケーションについて理解を深め、人という存在を理解し、相手との良好な関係を築き上げる努力をせねばならないという気持ちになります。
『非言語コミュニケーション』の勉強はまだ始めたばかりで、ここからが更に奥深くなっていきます。
ブログでは今後少しずつご紹介していたいと思いますので、ご期待下さい。
(=マジョリー・F・ヴァーガス「非言語コミュニケーション」石丸正訳;新潮選書より